この歳になって今年、素晴らしいお年玉をもらった。

 『国境を超えるためのブックガイド50』(小川忠編、白水社、2022年)という本である。その中で島田誠也氏(国際交流基金クアラルンプール日本文化センター所長)が拙著『マレーシア凛凛』の書評を書いてくださっている。

 えっ? 20年も経って『マレーシア凛凛』の書評? 信じられない話である。冒頭「今もマレーシアに赴任する国際交流基金の職員の間で(おそらく)代々読み継がれている」と書かれていて、更に驚いた。

 島田さんは「東南アジア諸国の中でも『あまりキャラ立ちしていない』と思われる、ちょっと地味なマレーシアが著者の手にかかると途端にキラキラと輝き出すのである」と述べ、「炎天下の日本語学習」、「パントゥンで知るマレーの心」、「ハリラヤ・コルバン(犠牲祭)」を例に取り上げて紹介している。

 今、人生を振り返ってみて、「あの時、清水の舞台から飛び降りるような気持ちで国際交流基金を辞め、マレーシアに再度渡ってこの本を書き上げたことは、些か不遜かも知れないけれど、私の『使命』だったのかな」と、地図もない道を歩んできた自分の運命に納得した。

 今年は長い間ご連絡が途絶えていた国際交流基金の何人かの方々ともメールで「再会」できた。改めて素晴らしい方々とご一緒に仕事ができた幸せを噛み締め、人生の宝に気づかされた今年のお正月である。


リンク:
☆『マレーシア凛凛』書評/紹介文 https://ban-mikiko.com/707.html
☆故郷で世界に生きる―筆者の言葉 https://ban-mikiko.com/1188.html

国際交流基金での仕事
☆北京日本学研究センター事業
 有朋自遠方来、不亦楽乎  https://ban-mikiko.com/3673.html
☆南アジア映画祭 
 南国の花たち(2) https://ban-mikiko.com/155.html

★「年の瀬の風情」に暮の餅つきの様子を載せましたので、御覧ください。
https://ban-mikiko.com/5797.html