お遍路さんのお接待(Entertaining a pilgrim)
四国霊場八十八ヶ所 第31番 五台山竹林寺(2024年11月16日)
京都に住む、国際交流基金での先輩Sさんが、遍路旅に出る前に高知市に寄ってくれた。十年前に四国霊場八十八か所の第23番までお参りしたそうだが、今回は友人に誘われ、第33番札所の雪蹊寺から続きを歩くという。彼女が到着した11月15日はちょうど龍馬生誕記念日で高知市には県外からの観光客も多かった。
大雨の中、高知駅に到着したSさんと駅前のホテルで待ち合わせた。5年ぶりの再会だった。チェックインのあと、西町の我が家に来ていただいた。今更繕っても仕方がなく、普段はだらしなく、勝手気ままに暮らしている二間の小さな空間だが、75歳になった今の私の姿を包み隠さず見てもらった。。
少しばかりの料理も準備した。 まずはウェルカム・ティーでレモンパイを、そして夕食には鯛の中華風サラダとクレソン鍋を。新鮮な食材を喜んでもらえたようだ。「私たちにとって、食べることは健康に生きるためのシゴトね」 などと互いの生活ぶりを交換しながら、楽しいひと時を過ごした。
💛 テーブルセッティング
💛 レモンパイ ⇒レシピ
翌日も生憎の雨だったが、五台山竹林寺にお供した。紅葉はまだだった。実は私も2007年に母と高知の霊場を巡っていて奉納経帳を持っていた。思い出して開いてみると、宿毛の延光寺と近いのになぜか竹林寺だけが空白だったので、今回朱印を押してしてもらった。
竹林寺には牧野植物園が隣接しているが、「牧野は次回の楽しみに残しておくので、今日は雨だし、ゆっくりおしゃべりしましょうよ」というSさんの言葉に従い、植物園の新館入り口にあるレストランでゆっくり昼食をとった。秋霖けぶる五台山の借景を眼下に、お遍路さんの携帯品を、解説を聞きながら見せてもらったりしていると、時間はあっという間に過ぎた。
💛 3枚に及ぶ手書きのスケジュール表。昔と変わらぬ「几帳面さ」に感動!
一旦高知駅まで戻り、バスで長浜の雪蹊寺に向かう彼女を見送った。白装束に身を包み、杖をつき、小さなリュックを背負って、力強く「じゃ、行ってきます!」とバスに乗った彼女は眩しかった。晩年になって「お遍路さん」を思い立った彼女の心境、決意、心構え如何にと想像しながら、「1週間の巡礼がどうかご無事でありますように」と祈りながら別れた。
💛 白装束に身を包んだSさん。
💛 荷物はこれだけ?! 一路平安!
リンク:
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