高知市にクレソンおじさんと呼ばれる男がいる。本人は「ムッシュ・クレッソン」と呼んでほしいと言っているのだが、高知ではチト、無理。「クレソンとかいう葉っぱを売りゆうおんちゃん」位がいいのでは?

 この男、週に、2,3回鏡川の清流でクレソンを収穫し、はりまや橋商店街で一袋(約50g)を百円で販売している。肥料や農薬代はいらないが、山に行くにもガソリン代がかかるし、あまり儲けにはなっていないと思うが、本人は「この美しく、栄養価の高い茎葉野菜」をもっと多くの人に食べてもらいたいと「普及活動」に生き甲斐を感じているようだ。

 この男、姓は伴、名は武澄。実は私の二つ年下の弟なのであります。60歳で共同通信社を定年退職すると、即故郷の高知に帰ってきた。「3.11」の影響もあったようだが、母親の介護が最大の動機だった。今年古希を迎えた弟は、この十年間、自分の母親や妻(高知出身)の両親を見送ったばかりでなく、置かれた環境をフルに活かして様々な活動をやってきた。

 先ず、土佐山アカデミーの2期生として3か月山にこもって「山で暮らす知恵」を習得した後、仲間と炭焼きを始め、その後は作った木炭をはりまや橋商店街の金曜市で売るようになった。旧鏡村とのご縁も出来、農業にもチャレンジ。彼の露店では木炭の他、山で採れたクレソンや椎茸、キクイモ、イタドリ、フキなどの山菜、ゆずも並ぶようになった。そして、すっかり馴染んだはりまや橋商店街で毎週金曜日の夜に「夜学会」を開き、経済、政治、国際情勢、文化、高知の歴史など広範にわたるテーマで講演を行うようになった。

 故郷で「耕」と「読」、「文武両道」の生活を実現させたと言える。  

 2019年4月には「水道の民営化反対」を掲げて市議選に出馬、惜しくも敗れたが、その後もはりまや橋商店街の一角 にWater Base というスペースを設け、「夜学会」をはじめ、ライブや展示会の会場提供、よろず相談など様々なアクティビティを展開している。

 コロナ禍が始まってからは、活動が制限されたので、六十の手習いでギターも始め、音楽にも目覚めたようだ。その他町内会の会長や保護司などもしている。Facebookには「スーパーおじいさん」と自己紹介しているが、誠に多彩、愉しそうな老後を送っている弟である。

 さて、クレソンに話を戻そう。クレソンはどこにでも売っているわけではなく、ステーキの付け合わせくらいのイメージしかないかもしれないが、清流で採れたばかりのクレソンは柔らかく瑞々しい。ほのかな苦みとピリッとする辛味があり、肉とよく合うが、その他いろいろな食べ方がある。以下にいくつかご紹介しよう。

1.クレソンサラダ
  フレンチドレシングに柚子汁を入れるとおいしい。クレソンだけでもよいが、トッピングに文旦
  などの柑橘類またはカリカリに焼いたベーコンなどもオシャレ。
2.お浸しや胡麻和え
  胡麻は黒ゴマがよい。
3.白和え
  味つけをしたこんにゃくや人参などと一緒に。
4.ステーキや焼き肉の付け合わせ
  焼き肉と一緒にクレソンをかじると、山のようなクレソンがすぐなくなる。
5.クレソン鍋(超おススメ)
  材料は、豚しゃぶ(バラ肉)、クレソン、ゴボウだけ。他の物は入れない方がよい。
  水にささがきゴボウを入れ、煮えたら、酒、みりん、だしの素、塩、醤油少々で薄味をつける。
  「しゃぶしゃぶ」をやっているうちにお汁がだんだん美味しくなるので、最後には御餅かうどん
  を入れてお汁も食べ切る。
6.ポタージュ
7.かき揚
8.炒め物

 クレソンはフランス語で、日本語ではオランダガラシと言う。明治の頃ヨーロッパから入ってきたそうだ。βカロチン、ビタミンC、鉄分、カルシウム、カリウム、葉酸などの栄養素に富んでいて、美しいばかりでなく、「健康」にもよいので、「是非多くの方々に食していただきたい!」と弟が申しております。 (姉さくら)


リンク:□Water Base こだわりの農業

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□萬晩報(伴武澄)https://yorozubp.com/wp/