私の「勝負」服―バジュ・クロン(Malaysian traditional dress)
冬至
2010年のクリスマスはマレーシアに里帰り
年末に断捨離の一環で、大切にしていたバジュ・クロンを思い切って捨てた。バジュ・クロンはマレーの民族衣装のことでマレー人の女性の大半が日常的に着ている服である。私はマレーシアに着任後、間もなくこの服と出会い、虜になって約十年の滞在中ずっと愛用していた。この服を着ると心がしゃんとして、「マレーシアを愛する日本人」として、どんな場に出ても胸を張ることができた。「バジュ・クロンを着た外国人」として注目を浴び、随分得をしたこともある。
帰国後もバジュ・クロン(≒マレーシアへの思い)が捨て難たく、よく着ていた。見知らぬ人に「きれいですね!どこの服ですか?」などと声をかけられて、マレーシア文化の紹介にも役立っているかしらと嬉しくなったりもした。しかし、ある時、「その格好は大学ではふさわしくない」と注意を受け、バジュ・クロンと決別することになった。日本ではやはり「異質なもの」は受入れられないのだ、と当時はかなりショックを受けた。
バジュ・クロンはもう私の手元にはないが(記念の数着を除いて)、せめて写真だけには残しておこうと思いつき、「Mikikoのバジュ・クロン集」をまとめてみた。四つに組んで異国で仕事に励んだ、若き日々が蘇る。
リンク:❤ バジュ・クロンに魅せられて
❤ 和服の力
❤ 東洋の衣を纏う
♦カンポン(田舎)に招かれて
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Comment from すみ子
時間 2023年12月29日 10:47 AM
私は布が好きです。スカーフやハンカチなど柄が気に入って買ったものでも、畳んだりクシュクシュにして使うのを残念に思っていました。それがバジュ・クロンを知って、あぁ素敵だなあと思いました。美喜子さんの薄いコートやショールなどいつもステキだなあと拝見していましたが、バジュ・クロンが原点なのですね。品のある落ち着いた柄は美喜子さんのセンスなのでしょう。この写真集、マレーシアを想いながらゆっくり拝見いたします。