中国料理のレシピ紹介が続いている。母の料理の他、国際交流基金や高知工科大学勤務時代に出張で度々中国を訪問した折に多種多様な中国料理を満喫したことも懐かしい。

 さて、中国料理の特徴とは? 私が知る限りをまとめてみたい。

 まず浮かぶのは、中国料理を作るためには火力が大切だということだ。我が家では、母がキッチンを作る時、火力の強い特別のガス台を入れた。30年以上経って私が引き継いだ時、新しく買い替えたいと思ったが、もうその型はないということで一旦諦めていた。しかし、昨秋偶然探していた型のものに出会い、新しいものに交換することができた。そのガス台には業務用という大きなラベルがしっかりついていたが、さすがに恥ずかしいので外してもらった。これで、中国料理の土台がしっかり整い、母のレシピを辿ってみようという私の思いも定まった。天国の母も喜んでくれていることだろう。

 次に調理器具である。中国料理は鉄製の中華鍋一つと中華ベラがあれば、ほとんどのものが作れる。キッチンは誠にシンプルだ。我が家では、それに包油(パオヨウ、油通し)用に小さい穴の開いた網鍋も併せて愛用している。中華鍋はいつから使っているのか、3、40年以上使っていると思うが、貫禄十分で、私自身が「へたばる」まで、まだまだ使えそうだ。

 中華鍋は料理を始める前と後、「よく焼くこと」、と母の「中国料理の基本」というメモにある。久しぶりに長時間中華鍋を焼いて、汚れ落としをしたら見違えるようになった。

 そして、食器。こちらもシンプル。形がほぼ決まっていて、取り分け用の小皿は何枚も重ねることが出来る。デザインの種類も少ない。白い皿は中国料理が映えるのでよく使われている。箸は日本の物と違い、先が尖っておらず、少し長い。

 さて、料理の特徴であるが、前菜を除き、基本的には熱い料理である。材料、材料の切り方、調理法、味付けの組み合わせ方で、豊富な種類の料理ができ、応用もきく。例えば、掲載済みの「麻婆豆腐」、「麻婆春雨」、「麻婆茄子」は、主材料を代えただけで、味付けはほとんど同じなのだが、立派に「3種類」の料理となる。

 調理方法だが、主流の炒め物の場合は材料の大きさを揃えて切り、バットか大皿に並べて置く。また調味料は事前に混ぜ合わせておくことによって、手際よく作れる。熱々の料理をすぐ出せるよう、料理を盛る大皿や取り皿、箸などもテーブルに準備しておく。

 レストランでのテーブルマナー。円卓を囲み、中央の回転テーブル*に料理を次々に出してもらう。長い箸で銘々皿に分ける。メニューは3,4人で4品位、一人増えるごとに一品追加する。材料や味付けが同じものにならぬよう、メニュー選びは大切だ。中国料理はダイナミック、ワイルドに食べるので、「祭りの後」のテーブルクロスの上には、エビの皮や肉の骨、こぼれた汁などが散在していても構わない。

 中国では食べきれないほどの料理を振舞って、客をもてなす習慣がある。残らなかったら、料理が足りなかったことになり、日本料理のように「食べ切る」文化とは逆である。

 しかし、最近この文化がフードロスを招いているとされ、2020年に習近平国家主席が「節約を励行し、浪費に反対せよ」と警鐘を鳴らし、2021年4月には「反食品浪費法」が全国人民大会で可決されたそうだ。「中国文化」とも言える大盤振る舞いの習慣の大転換?に驚いている。(どの程度浸透しているのかは「?」であるが。)

 中国料理は個食、孤食、黙食が似合わない。家族や親戚、友人たちが大きなテーブルを囲んで、大声でワイワイ、賑やかな「共食」が何より楽しい。
 
 ところで、「中華料理」と「中国料理」の違いをご存知ですか。「中華料理」は日本人に食べやすいようにアレンジされた料理を意味し、「中国料理」は中国で食べられている本格的な料理をさすそうだ。さて、母のレシピは「中華料理」だろうか? それとも「中国料理」だろうか? 私は母に敬意を表して、敢えて「中国料理」としたのだが・・・。


*回転テーブルは中国発祥と思われているが、実は日本が発祥地である。1932年に目黒雅叙園の創業者細川氏が発案したものが中国はじめ世界中に広がった。(カラオケみたいですね。)


★中国料理は火が大切。
★中華鍋を焼いたら見違えるようになった!  後ろの鍋敷きは思い出のもの(左から日本、ウエールズ、モスクワ、南アで入手した)
★中華鍋とベラ、包油用の網鍋があれば、ほとんどの物が作れる。
★材料は切って、並べておく。このプラスチックの洋皿は60年以上使っている。


★食器もシンプル。少ない数(種類)でまにあう。
★中国茶で一服どうぞ!



リンク:☆ 伴夫人(パンフーレン)の中国料理 https://ban-mikiko.com/2415.html
    ☆ クンドゥリー ―共食の歓び https://ban-mikiko.com/160.html