泰日工業大学

 先日、泰日工業大学というユニークな大学を訪問する機会があった。

 タイのバンコック市内から東へ車で40分。正門を入り、まず目に留まったのは、仏教国らしく遊行仏の像。本館入り口には「泰日工業大学」の日本文字。

 京都大学出身で物腰の柔らかなクリサダ学長が温かく迎えてくれ、自ら大学を紹介してくださった。

 泰日工業大学は泰日経済技術振興会の30年以上にわたる活動の結晶として、2007年に生まれた。日系企業200社の協力で日本の「ものづくり」と「産学連携」をキーワードに、実践力のある産業人育成を目指している。

 学生3200人。教員130人のうち2割が日本の大学出身で、日本の30大学と交流協定を結んでいる。英語とともに日本語も必修なのだが、「よさこい」クラブもあり人気があるという。

 一番の驚きは昨秋、高知工科大を卒業した元留学生が爽やかな青年教師として教壇に立っていたことだ。

 再会を喜び合い、その夜はチャオプラヤ川ほとりのレストランで、ハエを追いながら激辛のタイ料理をご馳走になった。沈む夕日を眺めつつ、山田長政に始まる日タイの悠久の歴史に思いをはせ、次世代の友好を祈りながら。  (凛)

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