頑張れ、日本

 私はそのニュースを学生の引率で滞在していた英国のウェールズで知った。翌々日ロンドンの大英博物館付近を重い心で歩いていると、あちこちで「がんばれ、日本。がんばれ、東北」の文字が目に飛び込んできた。店頭に並んだ英紙に描かれた大きな日本語。バックは日の丸の図案だ。驚きと感動がこみ上げ、涙を禁じ得なかった。

 阪神大震災の時にはマレーシアにいて、多くの人が哀悼の意を伝えてくれたのに驚いた。その背後には明治維新、戦後の復興、アジア・アフリカに対する経済・技術協力などなど、この150年の歴史を見つめてきた人々の中に育まれた日本への尊敬の念、親日的な感情が読みとれた。

 17日、マレーシアの国会では震災犠牲者への黙とうが捧げられた。対日援助拡大の緊急動議を提出したナジブ首相は「日本はマレーシアの発展と開発に協力してきた。人道的援助を行うのは義務ではなく権利である」と述べたという。

 今、世界中の目が日本に注がれている。ガンバレの言葉には「日本なら、できる!」という期待が込められている。父祖の汗と血によって築いてきたこの国を沈ませてはならない。 (凛)


リンク: 東日本大震災 マハティール氏からの手紙 偉大な国民試練乗り越えて