太平洋ぜよ

 私は毎日、高知駅前の坂本龍馬ら3人の志士像に見送られて出勤している。「今日も頑張りよ」と肩をたたかれる思いである。新パビリオンにも人が入っているようで、人工の建造物の求引力には驚かされる。

 しかし、私はやはり桂浜の龍馬さんが好きだ。あの地に立つと、自然に150年前の世界が思い起こされ、龍馬が考えたこと、なそうとしたことに想いが及ぶ。

 30年前に司馬遼太郎も書いている。「世界中で、あなたが立つ場所はここしかない(中略)この地が空間として美しいばかりでなく、風景そのものがあなたの精神をことごとく象徴している」と。

 龍馬ブームは続いているが、われわれはどれだけ龍馬の精神を分かろうとしているだろう。日々の、目の前の仕事には精を出しているが、長期的、大局的に物事を考える努力をしているだろうか。大局的とは例えば次のようなことである。

 「世界は今どうなりゆうろうか」「民主主義はこんなことでええのかのう」「どうやったら日本にリーダーが育つろうか」

 涼しくなったら桂浜に出かけて太平洋を眺めたい。世界は今、地殻変動を起こしている。日本は何をなすべきか、龍馬さんの声が聞きたいと思う。 (凛)