・・・異国の夜の道をジャランジャラン
今日は読者の方より素敵なメールをいただいたので、ご紹介したい。
その前に、ワンポイント・マレー語講座を。
マレー語は、語学が苦手な日本人にとっても、とても入りやすい言葉である。カタカナ書きにしてそ のまま読めば通じるからだ。
たとえば、「ご飯」は「ナシ」。「ひと」は「オラン」。「お菓子」は「クエ」を食え。
「アバウト(大体)」は「キラキラ」。「ちゃんぽん」は「チャンプール」。
「好きですか」は「スカ、カ?」。「あら、まあ!」は「アラマッ!」。
そして、ジャランとは「道」とか「歩く」という意味で、ジャランジャランは「散歩」となる。従って、上記のタイトルは「異国の夜の道をお散歩・・・」という訳です。
伴さんの記事を読みまして、私が6年前にマレーシアを訪れた時の楽しい記憶が蘇って来ましたのでご紹介いたします。
私は6年前に訪問しただけですが、その少ない時間のなかで接触したマレーシアの人達の優しさに心をうたれたのでした。今回のお話しは、マレーシアの家族についてです。
我々が当時泊まったホテルはクアラルンプールのシャングリラホテルでしたが、夜は早速、街に繰り出して、食べられるものは全部食べて行こう、飲める酒は全部飲む、と元気良く4人連れで出かけたのです。
氷を入れたビールから、中華風料理、肉類、残念ながら我々は、食べ物の名前や調理法が分からず、何を食べたか表現できないのですが、とにかく食べ歩きをしている最中でした。道端に、小学生位の、姉妹らしい2人の女の子が、果物を売っているのが眼に入りました。
奇麗に澄んだ眼をした子供達です、夜も10時頃でした、周辺には屋台の店があり、人も沢山いて心配な状況では全く無いのですが、子供達です、日本では見かけない状況でした。
果物は日本では見たことのなかった、マンゴステインです、珍しいということもあったのですが、小さな子供が健気にも夜遅く仕事をしている。
これは、早く帰れるように沢山買わなければいけないと、4人で半分以上買ってしまって、尚、子供達にチップのようなものをあげていたところ、30mくらい離れた所で食べ物の屋台をやっていたお父さん、お母さんが駆け寄って来ました、言葉は分からないのですが、とっても喜んでいるのです。
子供ならまだしも、ご両親が出て来られたので、お金を恵むような行為がどのように受け取られるのか気になりました。すぐお金を出す、こちらの心の貧しさを悟られたのではないか、一抹の危惧を持ったのですが、どうもそうではない。
子供たちが売っている商品、試食用に子供たちが皮を剥いて食べさせてくれた果物を本当に美味しいと言って食べたことを心から喜んでくれたのでした。計算や気使いではなく素朴、素直な、心からのものであることがよく分かりました。
そこで、親子4人と我々4人、深夜の撮影会が始まったのです。すがすがしい気持ちになった我々は、このまま帰って、寝ねてしまってはもったいないと、少し先にあった赤提灯の日本風居酒屋で、その、気持ち良い体験の、反芻をしたのでした。
日本だったら、幼児の、深夜の就労に関する法律問題だとか、酷い場合は虐待だとかで問題にされてしまうでしょう。でも全く逆の感想を、我々4人の日本のおじさん達は感じたのです。
子供達といえども、家族の一員として、仕事をする、父、母も近くにいて皆で仕事をして生きて行く、何とすばらしいことなのか、このような家族は昔の日本にもあったはずだ、でも今の日本はどうか。マレーシアは発展途上の国と言われているのですが、これ以上なにを発展させる必要があるのか。
人間にとって、発展とは何なのか、6年前でもそうですが、今の日本の状況、育児拒否、虐待、学校崩壊、少年犯罪、登校拒否、就職拒否、自殺の増加、これは日本だけではなく、アメリカでも顕著になっている問題ですが、発展というものが、生物としての人間の生命力を落し、衰退に導いているのではないか。
技術、経済の発展と人間の生きるということ、とは何か大きな矛盾を孕んでいる、満ち足りるということの、欠乏がある、 こんな議論をしました、その一日の、気持ちの良い家族を見た清々しさと、自分達の生きる世界のほろ苦さが、居酒屋の焼酎の味にブレンドされて、ほろ酔い・・・。異国の夜の道をジャランジャラン。
・・・ なにか取り留めのないことを長々と、申し訳ありません・・・
いいえ、いいえ、小澤正輔 様、いいお話を有り難うございました。折角の南国の夜を、密室のカラ オケ・バーなどで過ごされる殿方も多い中で、夜風に吹かれ、名物の屋台めぐりをしながら、庶民との交流も忘れなかった日本のおじさま方に乾杯!そして、テリマ・カシ!
テレマ・カシは「あなたの愛、情けを受け取ります、頂戴します」、即ち「ありがとう」という意味です。