今村先生

 4月末に韓国のジンジュ市を訪れた。釜山から車で1時間半。新緑をバックにサツキやフジが満開で、風土的な近さを感じた。16世紀末、豊臣秀吉軍が侵攻した激戦の地でもある。

 この町の慶南国立科技大学の創立101周年記念式典に出席した。式典の中で今村昌耕氏の祝辞が紹介された。同氏は同大学が公立農業学校だったころ、1925年から45年まで校長を務めた今村忠夫先生のご子息で90代半ばである。

 今村忠夫先生は日本の植民地時代にあって、民族の分け隔てなく学生をかわいがり、終戦で帰国する時には「今村基金」を残した。今も多くの学生が、その基金で運用される奨学金の恩恵を受けている。

 実は今村先生は土佐市の出身で、実家跡地の土佐市民病院の地に韓国の教え子たちによって頌徳碑が建てられている。帰国後、早速訪ねてみた。灯台下暗しを恥じ、日韓友好の縁に心打たれた。

 韓国にゆかりのある県民といえば、田内千鶴子さんもいる。朝鮮半島動乱の中、木浦共生園で三千人の孤児を守り育てた方だ。

 敬愛する朝鮮半島研究者,故田中明氏の『遠ざかる韓国』を再読しながら、両国の絆を風化させてはならない!と心に誓った。   (凛)

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