2024年12月29日

　🎄クリスマス・イブの翌日、元高知工科大学の留学生、🎄イブさん（Eveはニックネーム、本名Khanit　MATRA） が訪ねてくれた。よさこい祭りで迷子になった可愛い青年の印象が残る留学生だが、今ではタイの大学の立派な教師になっている(Nakhon Nayok州にある、国立Srinakharinwirot University (SWU)の分校の准教授）。

　高知には数日の滞在だったが、最後の夜を私とのデートに取っておいてくれた。高知駅で会うなり、「寿司は好き？」と聞くと、「大好きです！」ということで、はりまや橋近くの「おらんく家」という寿司屋に向かった。

　食事をしたら忘れてしまうからと、まず、記念写真を撮った。

「この写真、私のブログに載せてもいいかしら？」と尋ねると、
「僕、先生のブログに登場したいです！　是非、僕のストーリーを書いてください！」

とうれしい返事が返ってきた。

　高知工科大学博士課程を修了して12年、高知は7年ぶりの里帰り、私とはタイでの国際シンポジウムで5年前に会っているが、「久しぶり！」という言葉も吹っ飛んで、話が弾んだ。

　話はまず、イブさんがよさこい祭りで踊り子隊からはぐれて迷子になってしまい、泣きべそをかいた思い出😢笑い話から始まった。私はしばらく英語を話していなかったので、はじめは舌がもつれたが、気が付くと私も彼も日本語と英語のチャンポンで雄弁になっていて、2時間余りの時間は瞬く間に過ぎた。

　今回、彼は四万十市の嘗ての短期ホームスティの家族を訪ねた後、土佐山田(香美市）に数日滞在し、指導教員や留学生寮のファーザー、友人らを訪ねたという。感動したのは大学近くの自転車屋さんのおじさんとの再会の話である。

　おじさんには帰国後も毎年お正月に電話をかけていたが、ある年、挨拶が3月になってしまった。おじさんは僕からの連絡を待ちわびていたらしく、本当に申し訳ないことだった。「話す」と言っても、僕の日本語はあまり上手ではないし、おじさんも英語が得意ではないけれど・・・😊　帰国する時も今回もお餞別をくださった。「おじさん、僕はもう働いているんすよ！」とお断りしたが、聞いてくれなかった。僕は泣けてしまったよ・・・😢

　イブさんの好物はうどん。今回も土佐山田の行きつけの店で懐かしい味を楽しんだのだそうだ。

　自転車屋のおじさんもうどん屋さんの店主も2013年の彼の卒業式に出席したという。地域の人たちといい交流をしてくれたことを初めて詳しく聞いて、心打たれた。

　苦労話もしてくれた。彼の名誉のために詳しくは紹介しないが、「僕は高知の体験で　打たれ強くなった」とも言っていた。

　　本場の寿司も土佐のお酒も喜んでくれた。「美味しい」、「美味しい！」　がいつしか「うまい!!」になっていた。「日本語教師」に戻った私が「美味しい」と「うまい！」の使い分け方を説明すると、今まで知らなかったと大笑いした。

　酔いが回ったころ、「伴先生に日本語のクラスで習った『故郷の歌』が僕は大好きだ」とぽつりと言った。そして、「土佐山田の風景を想うとき、この歌が浮かぶんです」と。

　「そうね。東京だったら、♪兎追いし．．．とはならないわね」と私。「誰でも知っている古い歌だけれど、震災や災害のあと、この歌はよく歌われているのよ　・・・」

　「・・・はい、知っています・・・」

　「あら、タイヘン、もうバスの時間！　高知駅へ急ぎましょう！」

　バス停での別れ際、「May I hug you?」とイブが私に抱きついてきた。周りに人がいたので、少し恥ずかしかったが、私もイブをしっかりと抱き返した。

「先生、またね！」とイブは再会を約束してくれたが、私は「またね！」とは安易には返せず、黙って頷きながら、心の中で「今の私にとって一つ一つのことが『一期一会』なのよ」、とつぶやいた。

イブさん、素敵な再会のクリスマスプレゼント、そして数々の思い出をありがとう！

🎄　おらんく家で

🎄懐かしい四万十

🎄3年間住んだ土佐山田

🎄　♪　♫　故郷　♪　♫

＊夕暮れ時の物部川

　🎄またね！

留学時代

＊弟武澄（右）のチーム「国際交流隊」に参加

＊スペインの留学生Alex と競って踊る

＊大豊町星神社の秋季大祭に参加

＊エキサイティングな体験でした！

🎄くろしお（高知地域留学生交流推進会議発行）等の記事

＊　写真の中央に写っているのがイブ

＊自転車屋さんのおじさんは神母ノ木の古川さんでした！

＊在学中に参加したシンポジウム（左下がイブ）